「KUSKA」の特徴は、オールハンドメイドであること。生地の織り込みから縫製までを、全て職人たちが手作業で行っています。ここまでハンドメイドを徹底している工場は、世界を見渡しても1つか2つしかありません。手間はかかりますが、その分商品の完成度には大きな違いがあります。具体的なポイントを挙げると、まず立体的に仕上がること。機械のような強い力で引っ張るのではなく、手でゆっくり織っていくことによってシルク同士の摩擦を防げるんです。これは、フランスのジャガードや西陣織と同じ技法。色合いに関しても、5つの単糸を合わせて織り込むことで鮮やかさが増しますし、縦糸と横糸の組織によって独特の質感や風合いが出る。こういったさまざまな箇所に、昔ながらの手法を用いています。
もちろんその分、生産量は少なくなります。無地だと職人一人あたりの製作数は1日に3〜4 本、柄があると 2〜3 本しかできません。ですが、「KUSKA」の最大の特徴は手織りであること。そのこだわりだけは絶対に譲れないんです。お客様に商品を手に取っていただくことで、古き良き日の技法が、現代のライフスタイルにも取り入れられることを伝えていければうれしいですね。今はネクタイやストールがメインですが、今後はオリジナルのテキスタイルで洋服もつくっていきたいと思っています。まだまだ、これからですよ。